2度の骨折と3度の手術を経て2017年に復帰して以来、さらに上達している姿を見せている山本草太選手。
今シーズンも昨シーズンに続き、グランプリシリーズ最終戦となるNHK杯に出場しました。
今シーズンからは4回転にも果敢に取り組み、世界でもその実力を示したいところですが、山本草太選手のグランプリシリーズの結果はどうだったのでしょうか。
今回は、山本草太選手のグランプリシリーズの結果やチャレンジャーシリーズの結果、そして今後の展望について見ていきましょう。
山本草太のグランプリシリーズ2019結果速報
グランプリシリーズとは、世界各地6会場で行われる毎シーズン恒例の大会で、6大会の成績上位選手のみがグランプリ・ファイナルに出場することができます。
選手は1人最大2試合まで出場することができますが、誰がどの大会に出場するかの決定権は各国のスケート連盟にあるため、選手は決められた試合に出場することになります。
また、グランプリ・ファイナルに出場するためには、2試合に出場し上位に入る必要があります。
山本草太選手は、昨シーズン初めてグランプリシリーズに出場し1戦を与えられていました。
今シーズンは4回転も精度を高めて跳ぶことができるまでに調子を戻していたので、山本草太選手もグランプリシリーズ2試合の出場権を獲得できるかと思っていたのですが、出場権は昨年と同様NHK杯の1試合のみでした。
そのため、今シーズンも山本草太選手はグランプリ・ファイナルに出場できる可能性はありませんでした。
昨年、グランプリシリーズに初めて出場した際には、何度もくじけそうになった怪我を乗り越え、ようやく出場できたグランプリシリーズで滑る喜びを感じていたと言います。
しかし今シーズンは昨シーズンよりもレベルや調子を上げていましたので、グランプリシリーズに2戦出場できないというのは山本草太選手自身も悔しい気持ちはあったことでしょう。
このような心境の中迎えた、今年のグランプリシリーズNHK杯。
結果は、ショートプログラムとフリーともにジャンプのミスが響いてしまい昨年と同様総合6位に終わりました。
試合後、山本草太選手は、
「もっと強くならなきゃいけない。もう後がない。もっともっと頑張って、(ジャンプで)パンクしない、良い演技がしたい。」
と語っていました。
来年こそグランプリシリーズに2試合出場したい山本草太選手。
年末には全日本選手権が控えていますので、まずはそこでNHK杯の悔しさをぶつけ、自信につながるような演技をしてほしいですね。
山本草太のチャレンジャーシリーズでの結果は?
今シーズン、山本草太選手はUSクラシックとフィンランディア杯の2試合のチャレンジャーシリーズに出場しました。
初戦となったチャレンジャーシリーズUSクラシックは、ショートプログラムで初めて4回転サルコー+3回転トゥーループのコンビネーションジャンプを成功させたものの、続く4回転トゥーループは2回転となってしまいました。
しかし、82.88点という高得点でショートプログラム自己ベストを更新し、3位につけました。
翌日のフリーでは4回転トゥーループとトリプルアクセルを成功させるも、他のジャンプでミスが出てしまい完璧な演技とはなりませんでした。
しかし、昨シーズンよりも格段にレベルを上げ、フリーで157.23点という得点でショートプログラムだけでなく、フリーとトータルの点数でも自己ベストを更新しました。
初戦のチャレンジャーシリーズUSクラシックは課題の残る演技となりましたが、2位という結果で終えました。
チャレンジャーシリーズ2戦目となったフィンランディア杯では、ショートプログラムで4回転サルコー+3回転トゥーループのコンビネーションジャンプだけでなく、4回転トゥーループとトリプルアクセルも見事に成功させ、USクラシックで更新した自己ベストを10点近く上回る92.81点をマークしました。
同じ大会に出ていた宇野昌磨選手を押さえて、ショートプログラムで首位に立ちました。
山本草太選手はスケーティングがよく伸びる選手ですので、そこに質のいいジャンプが決まってくると、さらにスケーティングの上手さが引き立てられます。
ショートプログラムではそういったすべての要素がぴたりとハマり、世界でもトップクラスに入るような点数を出すことができたのでしょう。
翌日のフリーでは、USクラシックの時のようにジャンプでいくつかミスが出てしまい、前日のショートプログラムでの得点を活かすことができず、フリーだけでは6位と沈んでしまいました。
総合順位でも2位と、課題がさらに見えた大会になったのではないかと思います。
チャレンジャーシリーズは2試合ともフリーで課題の残る試合となってしまいましたが、一方で4回転ジャンプを試合でしっかり決めることができたという点では自信になったのではないでしょうか。
ショートプログラムで出した92点という点数も、十分世界で戦えるレベルであることを証明しています。
このチャレンジャーシリーズで得たものや見つかった課題を活かして、今後の試合に臨んでほしいですね。
NHK杯のショートプログラムの結果は?
【フィギュアスケート NHK杯 2019】
男子シングルで演技する山本草太#山本草太 #YamamotoSota #SotaYamamoto#フィギュアスケート #NHK杯 #NHKTrophy#GPFigure #figureskate#真駒内セキスイハイムアイスアリーナ pic.twitter.com/dxSv5QpOR3— 中日新聞写真部 (@chunichiphoto) November 23, 2019
前述のように、山本草太選手は今シーズンのグランプリシリーズでNHK杯に出場しました。
ショートプログラムの結果は7位。
冒頭の4回転サルコー+3回転トゥーループのコンビネーションジャンプは成功させましたが、続く4回転トゥーループではUSクラシックの時と同様に2回転となってしまい、最後のトリプルアクセルでも着氷で詰まってしまいました。
NHK杯でのショートプログラムの得点は、74.88点。
一概に比べることはできませんが、自己ベストの92.81点よりも18点も低い点数となってしまい、ジャンプ1つ1つの出来が点数に大きく影響することを実感しますね。
ショートプログラム終了後、山本草太選手は自身の演技を振り返り、
「タイミングのずれや力みがあったのかも」
と分析していました。
NHK杯が開幕する前には、
「去年は楽しむという目標で出たが、今年は全力で頑張りたい。」
と意気込みを語っていましたので、それが裏目に出てしまったのかもしれません。
ちなみに、ショートプログラムで首位に立ったのは4回転ジャンプを2本きれいに決めて109.34点をマークした、日本の羽生結弦選手でした。
NHK杯のフリーの結果は?
NHK杯フィギュア
男子シングル 最終結果宇野昌磨選手
NHK杯初出場で初優勝🏆
グランプリファイナル進出決定!! pic.twitter.com/fNaOETcXuE— Miyatoshi (@miyatoshi5) November 10, 2018
ショートプログラム7位で迎えた翌日のフリーでは、またもジャンプでミスが続いてしまい、点数を伸ばせずフリー5位でした。
総合では1つ順位を上げて6位に入ったものの、本人は悔しさをにじませていました。
フリーでは、冒頭4回転サルコーからのコンビネーションジャンプをきれいに決めましたが、続く4回転トゥーループやトリプルアクセルなどで転倒や回転不足があり、また得意のスピンやステップでもレベルの取りこぼしがありました。
まだまだ実力を出し切れなかった試合ではありますが、山本草太選手は落ち込むことなく、反省するべき点は反省し気持ちを切り替えて次の試合を見据えていました。
昨年と同じ順位だったものの、
「去年と全然違う気持ちで臨めた試合だった。今年も全て出し切れた訳ではないけど、やりたいことはできた。結果や点数もまだまだつながっていないし、自分の演技もまだまだ満足していないので、もっと練習頑張ります。」
と述べていました。
山本草太のNHK杯の結果からの今後の展望は?
USクラシックやフィンランディア杯、そしてNHK杯とフリーでのジャンプミスが目立ってしまっていた山本草太選手。
4回転ジャンプなども決まれば加点がつくような素晴らしいものを持っていますので、今後もやはり「ジャンプ」がキーになってくるでしょう。
しかし、昨年は4回転ジャンプをあまり試合で組み込んでいなかったことを考えると、この1年でかなりレベルアップしていることは間違いありません。
それを自信に変えて、今後もさらに飛躍してほしいですね。
4回転ジャンプの成功確率が上がれば、羽生結弦選手や宇野昌磨選手と同じレベルで戦えることでしょう。
山本草太選手の次の試合は、12月に行われる全日本選手権です。
山本草太選手はNHK杯後のインタビューで全日本選手権に向けての意気込みを聞かれた際、
「順位を狙うには点数を取らないといけない。スピン、ステップのレベルを取りこぼさない。ジャンプを全て回転して質のいい演技をそろえる。全てまだまだ足りないものばかり。ジャンプを練習でも完璧にできるようにしないと、それ以上はないと思っている。」
と静かに闘志を燃やしていました。
NHK杯で見つかった課題を、この短期間でどれだけ修正してこれるかがカギとなりそうです。
まとめ
- 山本草太は、今シーズンのグランプリシリーズNHK杯に出場し、6位に終わった。
- 山本草太はチャレンジャーシリーズのUSクラシックとフィンランディア杯に出場し、どちらも2位で試合を終えた。
- 山本草太はNHK杯のショートプログラムで7位だった。
- 山本草太はNHK杯のフリーで5位に入り、総合では6位だった。
- 山本草太の4回転ジャンプの成功率があがれば、羽生結弦選手や宇野昌磨選手と同じレベルで戦えることは間違いないと思われる。