2018年8月8日に、ついに日本でも乳幼児用の液体ミルクの販売が解禁されました。
しかし、未知の世界の液体ミルクのデメリットとメリットを身近な粉ミルクのデメリットとメリットを比較しないと使えないという人は多いのではないでしょうか?
ワンオペ育児などで悩まれているママさんたちの育児に対する負担が軽減?や災害時の不安要素に打ち勝つためにと液体ミルクを推奨されていますがしっかりと実態について把握しておきましょう。
液体ミルクのデメリット
- 飲み残しを放置すると、雑菌が繁殖しやすい衛生面のデメリット
- 値段が割高
- ゴミが増える
液体ミルクのメリット
- 長期保存が可能(缶&レトルトパック9ヶ月~1年、紙パック6ヶ月)
- お水が不要で災害時でも与えることができる
- 赤ちゃんにすぐミルクを与えられる
- 常温保存が可能
- 外出時に持ち運びが楽
- 飲み切るタイプの液体ミルクなら衛生面は優れている
粉ミルクのデメリット
- 赤ちゃんにミルクを与えるのに時間がかかる
- お湯や水がないとミルクを与えることができない
- 外出の際、荷物が増えて大変
- 毎回哺乳瓶の消毒が必要
- 赤ちゃんに飲ませるまでに時間がかかる
- 衛生面に不安もある
世界保健機構(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が共同で作成された「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取り扱いに関するガイドライン」の中でも次のように書かれています。
一般的には、感染のリスクが最も高い乳児には、無菌状態の液状乳児用ミルクが推奨されるが、無菌状態の液状乳児用ミルクが入手できない場合には、PIF(*)を70℃以上の温度の湯で調乳することで、リスクを大幅に減少させることができる。
*PIF・・・powdered infant formula:乳児用調製粉乳
このガイドラインは、粉ミルクに混入する微生物の中で「サカザキ菌」や「サルモネラ菌」に赤ちゃんが感染するのを防ぐために作られてます。
粉ミルクのメリット
- 身近で慣れているから安心感がある
- メーカーの品質管理がしっかりされているため安全性が高い
- 値段が比較的安価
- ゴミが出ない
[char no=”2″ char=”スパーク”]こうみると液体ミルクのデメリットって値段が割高になる以外ないのでは?[/char]
液体ミルクと粉ミルクの違いを比較
液体ミルクと粉ミルクのメリット・デメリットを把握したところで実際に比較してましょう。
液体ミルクと粉ミルクの値段の違い
乳児用液体ミルクは粉ミルクに比べ、製造原価が粉ミルクの約2倍、設備コストや流通コストが乗ると約3倍に膨らむので、割高になります。
引用:朝日新聞:1995年4月19日「欧米のお母さんに人気 乳児用液体ミルク
粉ミルクと液体ミルクの値段の比較をするために、
アメリカで広く一般に流通しているSimilac(シミラック)というメーカーのミルクの値段を調べてみました。
液体ミルクの値段
Similacはアメリカで有名な乳幼児用のミルクです。
アメリカのスーパーウォールマートで59ml、8本入り(ニップルとリング付)で7.97ドルで売られています。(2018年8月現在)
粉ミルク
もちろん、アメリカには液体ミルクだけでなく粉ミルクもあります。
粉ミルクは、1缶873g入りで、液体ミルク58本分のミルクが作れて32.99ドルで売られています。
若干、粉ミルクの方が値段は安いですね。
日本で売られている粉ミルクだと、明治のほほえみ800gで3,283円(税込)なのでアメリカの粉ミルクとそこまで値段は異なりませんね。
液体ミルクと粉ミルクの安全性の違い
日本では、厚生労働省が乳幼児乳製品の規定を定めていますが今までは液体ミルクについての記載はありませんでした。
厚生労働省が出した「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の中では、乳幼児に与える「調製粉乳」の定義を「粉末状にしたもの」としています。
昭和26年に定められているものなので、液体ミルクのことが記載されていなくてもしょうがないですよね。
そのため、日本の規定がしっかりと提示されるまでに、ネットなどで購入できる外国製の液体ミルクを赤ちゃんに与える際には、成分表示をしっかり確認してから購入することをおすすめします。
なぜなら、アレルギー反応が出てしまう赤ちゃんもいるからです。
例えば先ほど紹介したSimilac(シミラック)の新生児用ミルクには、原材料・成分の中に「大豆油」が含まれています。
「ガラクトース血症の赤ちゃんには与えないでください」の記載もあります。
ガラクトース血症とは?
ガラクトース血症(ガラクトースけっしょう、Galactosemia)は、糖の一種であるガラクトースを代謝する酵素を欠くために生じる、遺伝的疾患である先天性炭水化物代謝異常症のひとつ。この病気は1917年にGoppertによって発見された[1]。発症頻度は、タイプ1の場合おおよそ47,000人に1人と推定されている。これは国によって異なり、日本では低く、イタリアでは高いことが知られている。また、門脈の欠損や短絡によってガラクトース血症が生じることもある
引用:wikipedia
液体ミルクが手軽だからと成分表示を見ずに与えてしまうと赤ちゃんからアレルギー反応が出てしまったなどと
危険もあるので、安全性を高めるためにも成分表示は確認しましょう。
液体ミルクと粉ミルクの飲ませ方の違い
引用:時事ドットコムニュース
子育て中のママさんであれば、粉ミルクの作り方や飲ませ方は分かるかもしれませんが、液体ミルクの作り方や飲ませ方は分かりませんよね。
事前に知っておけば、急に液体ミルクを与えることがあった場合に安心ですよね。
粉ミルクの作り方
- 哺乳瓶を煮沸消毒または消毒
- 粉ミルクを計る
- お湯で溶かす
- 適温に冷まし、温度確認(人肌程度)
粉ミルクと言っても缶に入っている粉ミルクもありますが最近では持ち運びに便利な固形化された粉ミルクもあります。
それに、お出かけしても大抵のショッピングセンターには授乳室や赤ちゃんスペースが設けられるようになり、
お湯を持ち歩いたりする必要も昔よりはなくなりましたよね。
液体ミルクの使い方
粉ミルクであれば、作り方や飲ませ方は手順を知っているので哺乳瓶に入れれば赤ちゃんが飲んでくれるということを理解はしていますが、液体ミルクはどうやって飲ませればいいのか迷くママさんもいますよね。
哺乳瓶に移し替えて飲む液体ミルクであれば問題ないと思いますが、缶やパックに入っているものだと飲ませ方が分かりませんよね。
ちなみに、アメリカで売られている液体ミルク、どんな使い方をするかというと
- 液体ミルクの容器を振る
- キャップとアルミの蓋を開ける
- 人肌まで温める(常温でも良い)
- 哺乳瓶用ニップルをつけて赤ちゃんに飲ませる
液体ミルクが入っている容器がそのまま使い捨ての哺乳瓶になる感じです。
液体ミルクが解禁になった経緯
日本の液体ミルクの販売が遅くなった理由は2つあります。
1つは、粉ミルクで有名な明治乳業や森永乳業に製造技術があっても利益率が低い液体ミルクの製造・販売は躊躇していました。
つまりメーカーにとってコストがかかるため製造に至らなかったということです。
しかし、アメリカやヨーロッパでは液体ミルクの製造・販売に国家予算を投入していたため製造販売がされているんです。
これは、日本の政治家が頑張らなければいけない部分でしたよね。
そして、2つ目は先ほども申し上げた通り液体ミルクに関する安全性に関する法律の規定がなかったということです。
阪神・淡路大震災や東日本大震災のような災害が起きるたびに液体用ミルクの国内販売を求める市民活動が立ち上がっていたことや女性の社会進出、共働き世帯が増えてことによって国が変わり始めたということですね。
2016年に発生した熊本地震の際には、駐日フィンランド大使館から救援物資として液体ミルクが配布された過去もあります。
[char no=”1″ char=”merimeri”]解禁しても市販までには1年以上かかると言われていますよ![/char]