MGCファイナルチャレンジで東京オリンピックマラソン日本代表が決定するマラソンの代表選手ですが、マラソンだけが陸上の長距離種目ではありません。
陸上のトラック種目の長距離種目の日本代表選手の決定はいつどのように選考をして代表が決定をしていくのでしょうか?
東京オリンピックの陸上競技の長距離種目の競技種目や代表になるための条件や気になる注目選手についてまとめていきたいと思います。
東京オリンピック陸上出場を狙う注目選手は?
東京オリンピックにてマラソンと競歩以外の陸上長距離種目の注目選手を男女別に参加標準記録の突破が期待される選手をご紹介します。
東京オリンピック陸上(長距離)代表注目男子選手
まずは男性の注目選手です。
相澤晃選手
名前:相澤晃(あいざわ あきら)
生年月日:1997年7月18日
所属:東洋大学→旭化成
自己ベスト:28分17秒(10000m)
箱根駅伝2区で区間記録を樹立した大学NO.1の相澤晃選手がオリンピック出場へむけてチャレンジをしていきます。
駅伝ではここ1年負けなしの東洋大学の相澤晃選手です。
この4月より東洋大学を卒業して旭化成に入社しオリンピック出場を目指しています。
マラソンではなく10000mに照準を定めてトレーニングを行なっております。
駅伝では負けなしの相澤晃選手がトラックで才能が開花して 代表になれるかどうか注目をしたいと思います。
田村和希選手
名前:田村 和希(たむら かずき)
生年月日:1995年7月16日
所属:住友電工
自己ベスト:27分57秒(10000m)
駅伝でおなじみの田村和希選手。個人の種目でも日本選手権2019では10000mで 優勝する実力を持っています。
まずは参加標準記録突破がターゲットになってき ますが、コンディション次第で十分可能ではないかと思います。
勝負強い走りが見 られるかどうか注目です。
村山絋太選手
名前:村山 絋太(むらやま こうた)
生年月日:1993年2月23日
所属:旭化成
自己ベスト:13分19秒(5000m)27分29秒(10000m)
主な代表歴:オリンピック(リオデジャネイロ)、世界選手権(2015)
10000mの日本記録保持者の村山絋太選手は前回のオリンピックに引き続き2大会 連続のオリンピック出場を目指しております。
所属チームに相澤晃選手も入社し 刺激を受けていると思いますので、日本最速の10000mランナーとして自身の日本記録更新と代表入りができるかどうか注目をしたいと思います。
塩尻和也選手
名前:塩尻 和也(しおじり かずや)
生年月日:1996年11月8日
所属:富士通
自己ベスト:8分27秒(3000m障害)
主な代表歴:オリンピック(リオデジャネイロ)
3000m障害で前回のリオデジャネイロオリンピックに出場した塩尻和也選手です。
リオデジャネイロオリンピックでは順天堂大学2年次にオリンピック前に急遽、追加で召集された選手でした。
2大会連続でのオリンピックを今度は自ら代表になれるかどうか注目が集まります。
3000m障害以外でのチャレンジも考えられますが、ここは経験もあり可能性がある3000m障害での出場を目指すのではないかと思います。
まずは参加標準 記録、日本記録を目指して突き進む塩尻和也選手の走りに注目をしたいと思います。
上記の選手の他にも10000m歴代2位の記録を持つ鎧坂哲哉選手や4月より社会人になる館沢享次選手など注目する選手もいます。
世界選手権2019では男子トラック種目長距離選手が、残念ながら誰も出場できなかったので、東京オリンピックでは一人でも多くの選手が出場してくれることを期待したいと思います。
東京オリンピック陸上(長距離)代表注目女子選手
次に東京オリンピック陸上の女子の注目選手をご紹介します。
女子では、3選手が参加標準記録をきっており、昨年より1度は引退したものの競技に復帰した新谷仁美選手が10000mでしっかりと代表の座を射止めるかどうか注目されます。
7年ぶりの自己記録更新、そして渋井陽子さんが持つ日本記録更新(30分48秒)してオリンピック代表になれるか注目をしたいですね。
新谷仁美選手
名前:新谷 仁美(にいや ひとみ)
生年月日:1988年2月26日
所属:積水化学
自己ベスト:30分56秒(10000m)
主な代表歴:オリンピック(ロンドン)、世界選手権(2013、2019)
一度は引退をした新谷仁美選手が現役復帰したのが1年前、そしてその後は世界選手権2019の日本代表や最近ではハーフマラソン日本記録樹立など日本屈指のトップランナーの新谷仁美。
新谷仁美選手はオリンピックは10000mでの出場を目指すと公言しており現在、代表の最有力ともいえます。
廣中璃梨佳選手
名前:廣中 璃梨佳(ひろなか りりか)
生年月日:2000年11月24日
所属:日本郵政グループ
自己ベスト:15分05秒(5000m)
駅伝では出場した駅伝すべての大会で区間賞を獲得するとともに社会人1年目の昨年に15分5秒のU−20日本記録を樹立し、東京オリンピックの参加標準記録を突破した長距離女子のホープの廣中璃梨佳選手。
まだまだ伸びしろがあり、14分台も十分視野に入っている廣中璃梨花選手が東京オリンピックの選考会でどんな走りをしてくれるか10代で代表を勝ち取ることが出来るかとても注目です。
田中希実選手
名前:田中 希実(たなか のぞみ)
生年月日:1999年9月4日
所属:豊田織機TC
自己ベスト:15分00秒(5000m)
主な代表歴:世界選手権(2019)
昨年、一気にブレイクをした田中希実選手。初の世界選手権出場で5000mで予選突破をするとともに決勝では15分00秒という自己ベストを出しあと一歩で入賞を逃しましたが、彼女の走りは周りをあっと驚かせました。
コンディションが整えば、福士加代子選手が持つ日本記録(14分53秒)の更新とともにオリンピック代表をつかめるか注目です。
鍋島莉奈選手
名前:鍋島 莉奈(なべしま りな)
生年月日:1993年12月16日
所属:日本郵政グループ
自己ベスト:15分10秒(5000m)31分28秒(10000m)
主な代表歴:世界選手権(2017、2019<欠場>)
トラック長距離女子のトップランナーとしてスピードとスタミナを持ち合わせている鍋島莉奈選手。
世界選手権2019では残念ながら怪我で欠場となりました。欠 場は本人が一番悔しいと思いますし、その分オリンピックにかける思いはあるかと思います。
5000m、10000mともに参加標準記録をまずは突破して代表を狙ってもらいたいですね。
上記の選手以外にも世界選手権2019に出場した山ノ内みなみ選手(京セラ)や木村友香選手(資生堂)など実力者がおります。熾烈な代表争いが予想される女子長距離の代表争いが誰になるのかとても楽しみです。
5000mは19歳の勢いと伸び盛りの田中希実選手と廣中璃梨佳選手が14分台突入そして日本記録更新してオリンピックの代表の座を射止めてもらいたいです。
この3人の他にも世界選手権の代表の鍋島莉奈選手やベテランの山ノ内みなみ選手など実力者が多くいますので女子の長距離種目は代表争いが熾烈になるのではないかと思います。
東京オリンピック陸上での長距離種目の代表になるためには?
陸上の各種目の代表枠は最大で3枠で1種目3人までが出場することができます。
オリンピックに出場をするためには参加出場資格が定められています。
種目 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
800m | 1分45秒20 | 1分59秒50 |
1500m | 3分35秒00 | 4分04秒20 |
5000m | 13分13秒50 | 15分10秒00 |
10000m | 27分28秒00 | 31分25秒00 |
3000m障害 | 8分22秒00 | 9分30秒00 |
マラソン | 2時間11分30秒 | 2時間28分30秒 |
20㎞競歩 | 1時間21分00秒 | 1時間31分00秒 |
50㎞競歩 | 3時間50分00秒 |
マラソン、競歩以外のトラック種目で既に参加標準記録を突破している男子の長距離種目の選手は残念ながら、現在の時点では該当選手はおりません。
参加標準記録に関しても800m、1500m、10000mにあたっては日本記録よりも早い記録となっているという参加標準記録が高い壁となってきます。
日本記録の更新をすることがオリンピック出場というのが見えてくるのかもしれません。
女子に関しては、マラソン、競歩以外のトラック種目では3名の選手が参加標準記録を切っています。
田中希実選手 | 5000m 15分00秒 |
廣中璃梨佳選手 | 5000m 15分05秒 |
新谷仁美選手 | 10000m 31分12秒 |
この3名に関しては出場権利を持っていますので日本での選考会で結果を残すことで代表の座が見えてきます。
この3人の他にも記録突破をする選手も出てくることが考えられますので熾烈な代表選手争いが見られるのではないかと思います。
日本代表選考基準世界共通の参加資格を得た選手から日本代表が選考されていきますが、トラック競技の長距離種目の選考基準は次のようになっています。
なお、マラソン日本代表と競歩日本代表選手に関してはそれぞれの選考方法がありますのでここではトラック種目での選考基準となります。
世界陸上ドーハ大会での3位以内の成績を収めた選手20㎞競歩で鈴木雄介選手、50㎞競歩で山西利和選手が金メダルを獲得して代表の内定となっています。
長距離のトラック種目の選手については該当選手はおりませんでした。
日本選手権で3位以内の成績を収めた選手オリンピックの参加資格(参加標準記録突破もしくはワールドランク入り)を得ている選手が日本選手権で3位以内に入ると代表になることができます。
なので参加標準記録を突破していても日本選手権で3位以内に入ることができないと代表になれない可能性があります。
日本選手権では3位以下だったが、参加標準記録突破もしくはワールドランクで出場資格を得ている選手各国の1種目最大で3人までと決まっていますが、日本選手権で上位に入った選手が参加資格がない場合に適用されます。
陸上の長距離のオリンピック日本代表になるためには、男子はまずは記録を残すこと、女子は記録を突破している選手は日本選手権で結果を残すことがポイントになるのではないかと思います。
3月〜5月の早い段階で参加標準記録を突破して日本選手権では順位を求めていけるかどうかが重要ではないかと思います。
東京オリンピック陸上(長距離)代表決定までのスケジュール
陸上のオリンピック日本代表が決定されるまでのスケジュールは下記のようになっています。
2020年5月頃 | |
2020年6月25〜28日 | 第104回日本陸上競技選手権大会(日本選手権) |
2020年6月29日 | 第1次日本代表内定選手発表 |
2020年7月1日 | ワールドランクより参加資格のある競技者の発表 |
2020年7月2日以降 | 第2次日本代表内定選手発表 |
2019年の日本選手権より10000mの種目だけ別日程で開催されるようになりました。(現在、日程は未定)
10000mだけ参加標準記録の締め切り期間が早いのと5000mとの兼ね合いも含め疲労度を考えて別日程になっています。
第1次代表内定選手発表では参加標準記録を突破している選手で日本選手権において3位以内に入った選手の代表発表という形になると思います。
7月1日にワールドランクより各種目の出場資格のある競技者が発表され、それをもとに日本の代表選手が決まる形となります。
東京オリンピック陸上(長距離)でメダル獲得予想は?
現時点では、出場選手が決定していないため、予想ができません。
出場選手決定次第追記します。
東京オリンピック陸上での長距離の競技種目は?
東京オリンピックの長距離種目は下記の種目となっています。
前回のリオデジャネイロオリンピックと種目はほぼ同じ種目となっております。
なお、本来は中距離種目として位置づけされている800mやマラソン、競歩も陸上長距離種目として紹介をさせてもらいます。
東京オリンピックの陸上長距離種目
- 800m(男子・女子)
- 1500m (男子・女子)
- 5000m (男子・女子)
- 10000m(男子・女子)
- 3000m障害(男子・女子)
- マラソン(男子・女子)
- 20㎞競歩(男子・女子)
- 50㎞競歩(男子)
長距離種目は短距離種目のリレーのようにチームで行う種目はなくすべて個人種目となります。
短距離のリレーのように長距離版リレー種目の『駅伝』という種目があれば、日本はメダルも狙えるのではないかと思いますが残念ながら今のところは駅伝は種目としてはありません。
まとめ
- オリンピック陸上短距離種目は個人種目(マラソン・競歩含む)は男子8種目、女子7種目がある
- オリンピック代表になるためには1カ国1種目最大3名で、参加標準記録の突破もしくはワールドランクでの出場資格を得た選手が選考会で結果を残して代表に選出されるという形になる
- マラソン、競歩種目以外のトラック競技の長距離種目において日本人で参加標準記録を突破している選手3名
- 男子長距離で注目される選手として相澤晃選手、塩尻和也選手があげられる
- 女子長距離で注目される選手として新谷仁美選手、田中希実選手、廣中璃梨佳選手があげられる