2019年も、日本男子ツアーは賞金ランキング上位が頻繁に入れ替わる大接戦となりましたが、最後まで賞金王争いを演じたのは昨年同様、今平周吾選手とS・ノリス選手でした。
2017年にツアー初優勝、2018年には賞金王となり、2019年も大活躍の年となった今平周吾選手ですが、現在はどのようなスポンサーと契約し、どれほどの収入を得ているのでしょうか。
これまでの今平周吾選手の獲得賞金や戦歴と合わせてご紹介します。
今平周吾は賞金ランキング1位?
2019年の日本男子ツアーは、賞金ランキング1位が激しく入れ替わった年でした。
まずツアー開幕戦のシンガポールオープンで優勝したジェーンワタナノンド選手が、そのまま6月末まで賞金ランキング1位をキープします。
しかし、7月に鹿児島で行われた日本プロゴルフ選手権、北海道で行われたセガサミーカップで2試合連続優勝を果たした石川遼選手が3000万円を加算し、ワタナノンド選手を逆転しました。
そして10月に入ると、ブリジストンオープンで優勝した今平周吾選手が石川遼選手を逆転、さらに、翌週の日本オープンで優勝したチャンキム選手が今平周吾選手を逆転、その翌週にまた逆転と、デッドヒートを繰り広げます。
そうしている間に、じわじわと賞金を重ね、11月の三井住友VISA太平洋マスターズで2位に入ったS・ノリス選手が、1位の今平周吾選手に迫ります。
最終戦を残した時点で、賞金ランキング1位今平周吾選手と2位S・ノリス選手との差は約1807万円。
2018年と同様に、この2名の一騎打ちとなります。
最終戦の日本シリーズJTカップ(優勝賞金4000万円、2位2000万円)でS・ノリス選手が優勝した場合は逆転で賞金王という可能性を残していましたが、結果は今平周吾選手が3位、S・ノリス選手が4位となり、今平周吾選手の2019年賞金王が確定しました。
年間2勝という勝利数は賞金王としては物足りない数字かもしれませんが、25試合中トップ10入り15回と常に上位争いを演じた今平周吾選手は、まさに賞金王と呼ぶにふさわしい大活躍だったと思います。
賞金ランキング2位との差は?
賞金ランキング2位のS・ノリス選手は¥145,044,149で、今平周吾選手との差は¥23,005,163と、およそツアー1勝分の差が開く結果となりました。
S・ノリス選手は、三井住友VISA太平洋マスターズの最終日、わずかの差で優勝を争う金谷拓実選手に対して、相手がバーディを取るとサムアップして称えるなど、終始スポーツマンシップを見せていました。
賞金ランキングは2位でしたが、まさにGood Looserだったと言えます。
今平周吾は賞金ランキング1位の年収(年俸)は?
今平周吾選手の職業であるプロゴルファーの年収を考えるうえで、考えなければならないのは以下の3つです。
- ツアーでの獲得賞金
- スポンサーからの契約料
- 試合に出場するための経費
まず1の獲得賞金について、詳細は後述しますが、2019年は約1億7000万円を獲得しました。
実は、プロゴルファーの年収を計算しようとした場合、ここまでしか確実なことはわかりません。
2のスポンサーからの契約料については、どの企業がそれぞれいくら払っているかまではわからないためです。
また、3の試合に出場するための経費についてですが、試合に参加するためのプレー代、移動費、宿泊費、食費、キャディ代など、1年間フル出場すると1000万近くかかると言われています。
ただし、賞金ランキング1位になるほどのトップ選手となると、全てスポンサーが払ってくれるそうです。
ちなみに、私がツアープロ(最盛期の賞金ランキング2位の選手)にキャディとして帯同したときは、プレー代から吉野家の牛丼に至るまで、全て領収書をもらっていました。
おそらく、後でスポンサーに請求するのでしょう。
このように、ツアーの獲得賞金以外は一般に公表されない金額のため、今平周吾選手の明確な年収を算出することは難しいですが、少なくとも、スポンサー契約料を含めると年間獲得賞金の2倍から3倍の年収を得ているのではないかと推測されます。
今平周吾の賞金総額は?
2年連続の賞金王になった今平周吾選手の、これまでに獲得した賞金を年度別に集計してみました。(☆は賞金王)
レギュラーツアー | AmebaTVツアー | |
---|---|---|
2012年 | - | ¥1,403,808(0勝) |
2013年 | ¥1,832,992(0勝) | ¥632,555(0勝) |
2014年 | ¥4,325,000(0勝) | ☆¥7,444,288(2勝) |
2015年 | ¥45,257,908(0勝) | - |
2016年 | ¥61,603,069(0勝) | - |
2017年 | ¥101,483,329(1勝) | - |
2018年 | ☆¥139,119,332(1勝) | - |
2019年 | ☆¥168,049,312(2勝) | - |
合計 | ¥521,670,942 (4勝) | ¥9,480,651 (2勝) |
AmebaTVツアーとは、レギュラーツアーの下部ツアーのことで、サッカーで言うとJ2のようなリーグに該当します。
このAmebaTVツアーで2014年に賞金王になった今平周吾選手は、その後レギュラーツアーで順調に賞金を重ね、2019年終了時点での通算賞金総額は¥531,151,593となっています。
一般的なサラリーマンが生涯かけて手にする収入の倍以上を、20代のうちにしかも賞金だけで手にしてしまうなんて、やはりプロゴルファーは夢がありますよね。
今平周吾のスポンサーは?
今平周吾選手を支えるスポンサー企業は以下になります。
- レオパレス21 2016/09/26~(現在は解除)
- アンパスィ 2015/02/10~
- アルコニックス 2017/01/10~
- ヤマハ 2017/02/23~
- オメガ 2019/10/29~
松山英樹選手や池田勇太選手などは、ウェアのあらゆるところにスポンサーのステッカーが貼ってある印象ですが、今平周吾選手のウェアには何も貼っていないので、スポンサーであるアンパスィのウェアがより際立っていて良いですね。
今平周吾のスポンサー契約料は?
スポンサー契約料は、一般には公表されないため、残念ながら調べることができません。
参考までに、石川遼選手がプロ宣言したときの契約金がなぜか知れ渡っていますので、そちらをご覧いただければと思います。
- ヨネックス2億×5年
- パナソニック1億×5年
- コカ・コーラ1億×5年
上記以外にTOYOTA、ANAなどとも契約を結んでおり、それぞれ年間あたり数千万クラスだったと言われています。
石川遼選手がデビューしたときのインパクトには劣りますが、現在の実力では今平周吾選手のほうが上回っていますので、上記に近い額が今後結ばれる可能性はあると思われます。
ちなみに、石川遼選手は2009年に賞金王になった後、2013年から海外へ主戦場を移したためにスポンサー離れが進んでしまったと言われています。
今平周吾選手はもう少し日本で活躍していただいて、スポンサーさんにもたくさんついてもらえたらいいなと思います。
今平周吾の経歴
今平周吾選手がゴルフを始めたのは9歳とそれほど早くはありません。
しかし中学2年生、3年生の時の関東ジュニアゴルフ選手権で連覇し、早くも頭角を現します。
その後、関東屈指の強豪校である埼玉栄高校に入学。
まだ高校1年生のときに出場した日本ジュニアゴルフ選手権で優勝し、ゴルフ歴わずか7年で日本タイトルを獲得しました。
その翌年、高校を中退し、アメリカフロリダ州のIMGアカデミーにゴルフ留学しました。
ジュニア時代の実績もさることながら、高校2年生で単身ゴルフ留学してしまうなんて、ゴルフに対する相当な意思の強さを感じます。
アメリカでは全米ジュニアゴルフ選手権で8位に入り、2年後に帰国して2011年に日本のツアープレーヤーの資格を得ました。
2012年、2013年こそ目立った活躍はありませんでしたが、2014年にAmebaTVツアーで2勝をあげ賞金王になったことで、2015年のレギュラーツアーの出場権を獲得しました。
そして、レギュラーツアーでフル出場を果たした2015年は賞金ランキング24位に入り初シード権を獲得、その年のルーキーオブザイヤーにも選ばれました。
2016年は優勝こそなかったものの初の賞金ランキングトップ10入りを果たし、シード権をキープ。
そして2017年、5月に行われた関西オープンで、4日間首位を守りついにレギュラーツアー初優勝を果たしました。
この時、キャディを務めた若松菜々恵さんが「美しすぎるキャディ」として有名になり、2人はその後、婚約することとなります。(優勝したときは付き合ってすらいなかったとか)
続く2018年は、ツアー1勝ながら初の賞金王となり、2019年も賞金王となったことで、史上最年少での2年連続賞金王となりました。(27歳2ヶ月6日)
上記の通り、ゴルフもプライベートもまさに順風満帆というにふさわしい今平周吾選手。
これからも日本の男子ツアーを引っ張っていき、日本人初の海外メジャータイトル獲得を目指して頑張ってもらいたいと思います。
まとめ
- 2019年は賞金ランキング1位が激しく入れ替わった中で、最終的に今平周吾選手が賞金王となった
- 今平周吾選手と2位S・ノリス選手との差は\23,005,163だった
- 今平周吾選手の賞金総額は2012年からの8年間で\531,151,593
- 今平周吾選手のスポンサーは現在4社(アンパスィ、アルコニックス、ヤマハ、オメガ)
- スポンサーからの契約料は公表されていない
- 石川遼選手がプロ宣言した2007年は総額20億ほどの契約料があったが、海外を主戦場にしてからは減る傾向があった
- 今平周吾選手の経歴で特筆すべきこととしては、関東ジュニア優勝、日本ジュニア優勝、アメリカにゴルフ留学して全米ジュニア8位、プロ転向後2014年にAmebaTVツアー賞金王、2017年に関西オープンで初優勝、2018年と2019年に賞金王を獲得し、史上最年少での2年連続賞金王となった。