宇野昌磨選手は、12月18日に行われた全日本選手権の公式練習後のインタビューで、ステファン・ランビエ―ルが新しいコーチとなることを発表しました。
6月にこれまで師事していたコーチの元を離れることを発表したものの、コーチが不在のまま迎えることになった今シーズン。
グランプリシリーズでコーチ不在のまま臨んだ宇野昌磨選手でしたが、自信を無くしてしまった様子でファンからは心配の声が多くあがっていました。
宇野昌磨選手とステファン・ランビエ―ルについてご紹介します。
2019年全日本フィギュアスケート選手権では、4連覇で世界選手権出場、四大陸選手権への出場が決定しました。
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宇野昌磨の新コーチはランビエール?
宇野昌磨選手は、2019年6月に5歳から指導を受けていた山田満知子コーチと樋口美穂子コーチの元を離れることを決意しました。
その時点では新しいコーチは決まっておらず、新たなコーチを探す意向でしたが、決まらないまま今シーズンを迎えていました。
しかし、11月上旬から行われたグランプリシリーズの第3戦フランス大会で、ショートプログラムとフリーでジャンプがなかなか決まらず、まさかの8位。
演技後のキス・アンド・クライでは1人寂しく座り、宇野昌磨選手にしては珍しく涙を流す場面もありました。
その後、スイスに渡ってステファン・ランビエールコーチの指導を受けることになった宇野昌磨選手。
気持ちを立て直した宇野昌磨選手はグランプリシリーズ第5戦ロシア大会では、「やっと今季がスタートできた」というように、調子を上向きに戻してきました。
その時はまだステファン・ランビエールコーチは臨時のコーチという位置づけで、正式に指導を受けるかどうかまでは明言していませんでした。
しかし、18日に行われた全日本選手権の公式練習で宇野昌磨選手がステファン・ランビエールコーチから細かく指導を受けていたのです。
また、公式練習後のインタビューでは、宇野昌磨選手本人からも「どこまで言っていいのかわかりませんが」という前置きの後、「たぶんステファンのところにお邪魔する」と正式に師事することを公表しました。
つまり、宇野昌磨選手は今後ステファン・ランビエールコーチの指導を受けながら、更なる高みを目指して練習を積んでいくことでしょう。
宇野昌磨がコーチにランビエールを選択した理由は?
宇野昌磨選手が新しいコーチをステファン・ランビエールコーチに決めた理由については、まだ正式に発表されていません。
しかし、ステファン・ランビエールコーチは以前から日本スケート連盟の強化合宿でもコーチとして宇野昌磨選手を指導していた経験がある、ということで宇野昌磨選手も安心感があったのではないでしょうか。
やはり、選手とコーチは相性も大きく関係してきますから、以前指導を受けていてフィーリングが合っている、という感覚はとても大切です。
また、ステファン・ランビエールコーチ自身も数年前までは選手として第一線で活躍していましたし、オリンピックも経験しているので選手の気持ちなども共感できるコーチです。
宇野昌磨選手もここ最近不調で悩んでいましたので、そういった悩みも言葉に出さずとも理解してくれる、というのは今の宇野昌磨選手にとっては心強い存在なのでしょう。
ステファン・ランビエールコーチとともに、宇野昌磨選手も自信を取り戻してくれるといいですね。
エテリコーチを選択しなかった理由は?
宇野昌磨選手は、2019年の夏ごろはロシアのエテリ・トゥトベリーゼコーチのサマーキャンプに参加していました。
エテリ・トゥトベリーゼコーチといえば、ロシアの名コーチでいま世界で活躍しているロシア選手の多くがエテリ・トゥトベリーゼコーチの生徒です。
そのような背景があったため、宇野昌磨選手の新しいコーチはエテリ・トゥトベリーゼコーチであると見られていました。
しかし、結局宇野昌磨選手がエテリ・トゥトベリーゼコーチも門下生となることはありませんでした。
その理由は、エテリ・トゥトベリーゼコーチの規約にあったようです。
エテリ・トゥトベリーゼコーチに師事する際には、いくつかの条件があります。
どのような条件なのか、また宇野昌磨選手がその中のどの条件に同意しなかったのか、ということについては公表されていません。
しかし噂によると、その条件の中にエテリ・トゥトベリーゼコーチに師事するようになると振り付けも決まった振付師にしか頼めない、といった条件があり、宇野昌磨選手はそれに同意しなかったのではないか、と見られています。
エテリ・トゥトベリーゼコーチは、宇野昌磨選手と一緒にチームを組むつもりだったようですが、お互いの条件が合わず宇野昌磨選手がエテリ・トゥトベリーゼコーチ門下生となることはなかったのです。
ランビエールコーチの教え子は?
ステファン・ランビエールコーチは、2010年3月まで現役選手として試合に出場していたため、コーチ歴がまだ9年目と浅く教え子と言えば、デニス・ヴァシリエフス選手と島田高志郎選手です。
しかし、現役時代スケーティング技術やエッジの正確さ、そして表現力などが高く評価されていた選手でしたので、今では人気コーチとして世界各国の選手を指導しています。
その中でも、ラトビアのフィギュアスケート選手であるデニス・ヴァシリエフス選手は有名で、NHK杯などにも出場するほどの実力を持った選手です。
また、2017年からは日本の島田高志郎選手がスイスに拠点を移し、ステファン・ランビエールコーチの指導を受けています。
島田高志郎選手は元々実力のある選手でしたが、ステファン・ランビエールコーチに師事するようになってからは、さらにその実力がついてきているように感じます。
トリプルアクセルや4回転ジャンプを試合で成功させていますので、宇野昌磨選手にとっても今後ライバルになっていく可能性は十分にあるでしょう。
このように、今では日本の島田高志郎選手もステファン・ランビエールコーチに師事してますので、宇野昌磨選手も移籍するとなると同じリンクで練習することになるわけです。
宇野昌磨選手もスイスに拠点を移すことになりますので、そこに同年代くらいの日本人選手がいたら心強いですよね。
宇野昌磨選がステファン・ランビエールコーチの元に移籍を決めた理由の1つでもあるかもしれません。
ランビエールの現役時代の実績は?
ステファン・ランビエールコーチは、現役時代に数々の素晴らしい成績を残していました。
スイス国内では負けなしという程の実力で、スイス選手権8連覇を果たしています。
また、2005年と2006年の世界選手権優勝者でもあり、グランプリファイナルでも優勝経験があるのです。
さらには、オリンピックにも二度出場しており、2006年のトリノオリンピックではショートプログラムで3位につけ、フリーでは4位だったものの、総合で2位に入り銀メダルを獲得しています。
二度目のオリンピックとなった2010年バンクーバーオリンピックでは、ショートプログラム5位、フリー3位でどちらもパーソナルベストを更新したものの、表彰台には一歩及ばず4位に終わっています。
ステファン・ランビエールコーチは現役時代、スピンと表現力、スケーティングで高い評価を受けていた選手でした。
特に、スピンでは「世界一」と称されるほど素晴らしいものを持っていて、代名詞として用いられていました。
ジャンプは苦手と言われていましたが、4回転ジャンプも跳んでいましたので、苦手というほどではないでしょう。
コーチになった今でも、ステファン・ランビエールコーチの生徒はスケーティングや表現力の技術が高いという評価を受けています。
宇野昌磨選手もこれからステファン・ランビエールコーチのもとでどのように変わっていくのか、期待したいですね。
ステファン・ランビエール
生年月日:1985年4月2日
年齢:34歳
血液型:調査中
出身地:スイス ヴァレー州
経歴:ステファン・ランビエールコーチは、元スイスのフィギュアスケート選手です。7歳の時に、3歳上のお姉さんがフィギュアスケートをやっていたことがきっかけで、フィギュアスケートを始めました。
すると、メキメキと頭角を表し、11歳でスイスのノービスチャンピオンになると、ジュニアではスイス選手権ジュニアクラスで二連覇を達成。
2000年シーズンからはシニアに移行し、スイス選手権で優勝を果たすと以降同大会で8連覇をしています。
自身初めてのオリンピックとなったソルトレイクシティオリンピックでは15位と思うような結果を残すことができず、世界選手権でも18位に終わりました。
そこからもう一度自分のスケートを見つめ直し、トリプルアクセルや4回転ジャンプを習得すると、2005年のグランプリファイナルでは初優勝を飾りました。
そして2006年のトリノオリンピックでは、前回の屈辱を果たすような会心の演技で銀メダルを獲得。
その後、モチベーションの維持や怪我に苦労しながらも、バンクーバーオリンピックに出場すると4位で惜しくも二大会連続オリンピックでのメダル獲得はなりませんでした。
2010年には引退を表明し、現在は自身もアイスショーに出演しながら、若い選手の育成に務めています。
宇野昌磨コーチ不在時と現在の変化は?
前述のように、宇野昌磨選手は2019年のグランプリシリーズ第3戦フランス大会ではジャンプに精彩を欠き、まさかの8位に終わりました。
ジャンプに自信がないように見え、いつもの勢いも感じられませんでした。
また演技後には、これまでの宇野昌磨選手では考えられなかった涙を流す姿も見せ、ファンからは心配の声も上がっていました。
しかし、ステファン・ランビエールコーチがコーチとして立っていたロシア大会では、滑りと気持ちの両面で自信を取り戻したように見えました。
宇野昌磨選手自身も「やっと今季がスタートできた」といっていた発言からもその様子がうかがえます。
宇野昌磨選手は、スイスで練習を積む環境について、「厳しいし、やることはやるけど優しさがある。求めていた環境。」と充実した様子を話していました。
まだステファン・ランビエールコーチに本格的に指導を受けるようになってから1か月程度ですので、宇野昌磨選手の演技に変化が出てくるまでにはもう少し時間が必要でしょう。
しかし、正式なコーチがいることは宇野昌磨選手にとって心強いはずです。全日本選手権では、自信を持って臨む宇野昌磨選手の演技がみられることを期待しましょう。
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まとめ
- 宇野昌磨の新コーチは、スイスのステファン・ランビエールである。
- 宇野昌磨がステファン・ランビエールを選んだ理由は公表されていないが、おそらく相性があったのと以前から指導を受けていたという安心感があったからなのではないかと思われる。
- 宇野昌磨がエテリ・トゥトベリーゼを選択しなかった理由は、条件に同意できなかったからだと言われている。
- ステファン・ランビエールの教え子には、デニス・ヴァシリエフス選手や島田高志郎選手がいる。
- ステファン・ランビエールは、現役時代にスピンと表現力、スケーティングで高い評価を受けていた。
- ステファン・ランビエールは、幼い頃から実力がありスイス選手権では負けなし、2006年のトリノオリンピックでは銀メダルを獲得している。
- 宇野昌磨は、ステファン・ランビエ―ルがいることによって気持ちの面で安定しており、それに伴って演技の面でも少し自信を取り戻したように感じた。