現在放送中のNHKの連ドラ「なつぞら」のヒロイン役を演じている広瀬すずさんのモデルは誰なのか?ということが話題になっています。
広瀬すずさんが演じる「なつぞら」のヒロインなつは、苦労の末アニメーターになるのですが一体モデルとなる人物は誰なのでしょうか。
実在するアニメーターなのかどうか、話題のドラマの気になるところを見ていくことにしましょう。
なつぞらヒロインなつ役(広瀬すず)のモデルは誰?
現在放送中のHNKの朝の連続ドラマ小説「なつぞら」は、視聴率もよく、これまでの朝ドラのヒロイン役を演じた女優さんも出演するということでいろいろと話題になっています。
記念すべき、「朝の連続ドラマ小説第100作目」ということでも知られています。
ヒロインの「なつ」を演じるのは、テレビドラマや映画で大活躍中の広瀬すずさんです。
戦争で両親を亡くした「なつ」が、兄や妹と別れて、父親の戦友である柴田を頼って北海道の十勝に移り住むというところから物語はスタートします。
北海道の牧場の手伝いをする中、戦争で失ってしまった明るさを取り戻した「なつ」は高校卒業後、東京でアニメーションの世界に入っていくことになります。
北海道の大自然にはぐくまれた「なつ」の感性が、アニメーションの世界で花開くというストーリーです。
このヒロイン「なつ」にはモデルとなったアニメーターがいるということなのですが、それは一体誰なのでしょうか。
調べてみると「奥山玲子」さんというアニメーターさんであるということがわかりました。
この奥山玲子さんという方は一体どんな方なのでしょうか。
奥山玲子のプロフィール
「なつ」のモデルとなったといわれている奥山玲子さんのプロフィールを確認しておきましょう。
5月6日は、アニメーター・銅版画家として活躍された
奥山玲子さんの命日でした。
奥山さんは2007年5月6日に亡くなりました。
今年は十三回忌にあたります。
奥山さんには公私共に大変お世話になりました。
心からの感謝と共に故人を偲びたいと思います。https://t.co/niuAHGlypj#奥山玲子 pic.twitter.com/zRBxkdyTzl— 叶 精二(Seiji Kanoh) (@seijikanoh) 2019年5月6日
名前:奥山玲子
生年月日:1936年10月26日(2007年5月6日没)
出身地:宮城県仙台市
学歴:東北大学教育学部
アニメーターや版画作家として活躍されたのち、2007年5月に亡くなられています。
旦那の「小田部羊一(こたべ よういち)」さんは、連ドラ「なつぞら」のアニメーション部分の時代考証を担当されています。
小田部さんも作画監督をされているアニメーションの世界の方です。
同じ世界で活動する中で惹かれあいご結婚されたということですね。
今後のドラマの展開もこのあたりから予想できるかもしれません。
奥山玲子の年表
ヒロイン「なつ」のモデルと言われている奥山玲子さんは、どんな人生を歩まれたのでしょうか。
彼女の一生を年表で確認しておきましょう。
1936年10月26日:宮城県仙台市に生まれる
小学校:学校名は不明ですがシェイクスピアの全集を読破するほどの文学少女だった
監督ごっこをして遊んだりもした
中学校:地元の宮城学院中学校に通う
高校:地元の宮城学院高等学校に通う
大学:東北大学教育学部を卒業
1957年:東映動画に入社
1963年:同僚だったアニメーター・小田部羊一さんとご結婚
家庭と仕事を両立させながら、さまざまな作品の作画監督を務める
1976年:東映動画を退社
日本アニメーションの「母をたずねて三千里」に
旦那様である小田部さんの作画監督補佐として携わる
1979年:旦那様とともに東映動画スタジオに復帰
1985年:東京デザイナー学院アニメーション科で教壇に立つ
銅版画家としても活躍
2007年5月6日:病気のため死去
奥山玲子の経歴
奥山玲子さんは東映動画に入社した後、日本で初めての長編カラーアニメーションである「白蛇伝」の動画を担当されました。
さらにその後、「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」で原画担当に昇格されます。
「わんぱく王子の大蛇退治」などを手がけることになります。
女性アニメーターの先駆けとして活躍する一方で労働組合の活動にも参加されます。
当時はまだ女性がバリバリ働くという風がなかったため、働く女性の立場の改善のために活動をされます。
アニメ映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」や「長靴をはいた猫」などの話題作の原画を担当したり、「海底3万マイル」の作画監督などを次々に務められます。
アニメ映画「にんぎょ姫」では、女性として初めて長編作画監督を単独で担当されます。
さらに、「母をたずねて三千里」では、旦那様である小田部羊一さんが作画監督されるのをサポートされました。
加えて、銅版画家としても活躍され、1991年に銅版画風のアニメ短編作品「注文の多い料理店」で原画を担当されました。
1986年からは若いアニメーターの育成のために東京デザイナー学院のアニメーション科の講師を務められました。
2007年5月、病気のために惜しまれつつ亡くなりました。
70歳でした。
まさに、人を楽しませるためにアニメに捧げた一生と言えます。
奥山玲子のアニメ作品一覧
ここで、奥山さんが携わられたアニメ作品にはどんなものがあるのか、確認しておくことにしましょう。
本当にたくさんのアニメに携わられていますので、ここに挙げたのはほんの一部です。
- 映画『白蛇伝』 動画(1958年10月22日公開)
- 映画『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』原画(1962年7月21日公開)
- 映画『長靴をはいた猫』原画(1969年3月18日公開)
- テレビ『デビルマン』原画(1972年7月~放映)
- 映画『アンデルセン童話 にんぎょ姫』作画監督(1975年3月21日公開)
- 映画『じゃりン子チエ』原画(1981年4月11日公開)
- 映画『火垂るの墓』原画(1988年4月16日公開)
- 映画『冬の日』絵コンテ・レイアウト・原画(2003年12月13日公開)
このほか、『魔法使いサリー』『ひみつのアッコちゃん』『マジンガーZ』などのテレビアニメなどにも携わっておられ、とても有名な作品ばかりなので、「懐かしい」と思われる方も多いのではないでしょうか。
あ、龍の子太郎もそうなのか
すごく強い印象が未だに有る映画です
スクリーンで見れた幸せ#龍の子太郎 #なつぞら #奥山玲子 pic.twitter.com/cNMru4EBLt— 戦闘員(でじぶー)🍶 (@dejiboo1) 2019年5月7日
なつぞらヒロインなつ役はアニメーターの草分け的存在?
奥山玲子さんがアニメーターとして活躍をはじめられた時代は、女性がアニメーターとして働くことはおろか、働くこと自体がなかなか認められなかった時代です。
今では、女性が働くことは当たり前のことですし、男性と比べること自体がナンセンスな時代になっています。
アニメーションの世界でも女性が多数活躍されています。
ただ、そういう時代になったのも、奥山さんのような女性がおられたからこそといえると思います。
そういう意味で、奥山玲子さんは「アニメーターの草分け的存在」といえますし、もっと大きく「働く女性の草分け的存在」といえると思います。
朝ドラの「なつぞら」もこの後、「なつ」が「働く女性」として様々な困難に立ち向かっていくことになります。
「がんばる女性」をみずみずしく描き出す朝ドラのヒロインのモチーフとしては、奥山さんはぴったりだといえると思います。
なつぞらヒロインなつ役(広瀬すず)が奥山玲子だと言われる理由は?
ヒロインの「なつ」の苗字は「奥原」です。
「奥山」さんと一字違いですね。
加えて、「なつ」の生まれ年は1936年という設定です。
奥山玲子さんは1937年のお生まれなので、1年しか違いません。
さらに、「なつ」が採用される会社の名前が「東洋動画」で、奥山さんが臨時採用された会社の名前は「東映動画」と、こちらも1字違いです。
さらにさらに、「なつ」の勤める「東洋動画」が手がけたアニメーション第1作のタイトルは「白蛇姫」。
1957年の春に完成したという設定です。
奥山玲子さんの勤める東映動画が手がけた日本初のカラー長編アニメーションのタイトルは「白蛇伝」でした。
またまた1字違いです。
ドラマの中で、「なつ」が東洋動画に入社した当初、あまりにおしゃれに気をつかい、そのことを先輩にしかられるというエピソードが描かれています。
奥山玲子さんも東映動画の社員だったころ、相当なおしゃれさんだったそうで、毎日違う服装で出社していたといいます。
「なつ」も奥山玲子さんもあまりにおしゃれなので、その姿を同じ会社の人にスケッチされたという同じエピソードを持っています。
また、すでにご紹介したとおり、旦那様がドラマの時代考証を担当されています。
ここまでくれば、「なつ」のモデルが奥山さんであるということは明らかだと思いますが、モデルにしたということであれば、「モデルにした」と正式に発表されるはずですので、やはり「モチーフにしている」というのが妥当なようです。
まとめ
- 放送中のNHKの連ドラ「なつぞら」のヒロイン「なつ」のモチーフになっているのは、女性アニメーターの草分け的存在「奥山玲子」さん。
- 日本初の長編アニメーション「白蛇伝」のスタッフとして参加
- その後も、『長靴をはいた猫』『デビルマン』『火垂るの墓』などの制作に参加。
- 後進の育成のために東京デザイナー学院で教鞭もとられました。
- 後年は銅版画家としても活躍。
- 奥山さんの旦那様も有名なアニメーター、小田部羊一さん。
- 働く女性の地位向上活動にも積極的に参加された奥山さんはまさに朝ドラヒロインのモチーフとしてはぴったり。
奥山さんの一生と重ねつつ、ドラマをみるとまた一味違って楽しめると思います。
今後も、毎朝の放送を楽しみにしたいと思います。
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